第327回
こころに花束を
新潟でケアマネをやっているネットワーク会員のNさんからメールが来ました。
花をもらえるのはうれしい。
小林さんもこころが疲れたときは花を買ってはどうですか?
というような内容でした。
花を買うなんていうのは、日本人は苦手ですよね。
この前はマンションのベランダにプチガーデンを作るのに花屋に顔を出したけど、
花束は日常の生活で買うのは、なんだか恥ずかしいです。
お見舞いとか、お祝いっていうのは大丈夫なんですが。
朝起きて、朝食に目玉焼きを食べたかったのですが、
ちょうど卵が切れていたので、近所のコンビニに買いに出ました。
マンションの下の通りは小さな地元商店街になっています。
本当に小さな店の集まりで、生活がひしひしと感じられます。
コンビニの前が花屋さんなのですが、これがあんまりおしゃれじゃない。
この前買ったのは大通りに面した小洒落た店で、配達してもらいました。
この店はどちらかというと仏壇に添えるような花を前面に出していて、
まあ、客層がそんな感じの店です。
驚くのは中に入ると、店の看板が一枚板に○○花屋と毛筆で掘り込んであるところ。
なんだか、威勢の良い魚屋のような様相です。
案の定、おやじもチャキチャキの江戸っ子みたいな人で、
こちらが話しかけると威勢良く答えてくれました。
バラを数本、かすみ草もつけて花束にしてよって頼んだら、
奥さんが出てきて、
「この人は一級技能士だからね!まかせておきよ!」
と壁にかけた賞状を指差しながら、誇らしそうに話しかけてくれました。
出来上がった花束は案の定、あまりデザイン的には評価できませんでした。
まあ、すぐ花瓶に生けるし、
「かすみ草、ちょっとおまけしといたから!」
という(それよりバランス考えて!)心意気に感謝してお金を払って出ようとしたら、
「がんばってきなよ!」とわかってるんだかわかっていないんだか、そんな言葉で送り出してくれました。
ちいきの店ってこういうコミュニケーションが面白いです。
おまけが多すぎて、ちょっとバランスを欠いていたので、
一本のバラを間引いて、花びらを湯船に浮かべたら
ちょっと信じられないくらい、豊かな時間を過ごすことが出来ましたよ。
生活に花って重要かもしれません。
Nさん ありがとう。
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