第306回
忘却
空白の記憶は恐怖だけど、
それを埋めたら埋めたでやはり苦しむものです。
なかなか難しいものですね。
しかし、人間に与えられたもうひとつの能力のひとつに忘却があります。
空白の時間、なにがあったかを知ることはそんなに幸せなことではありませんが、
それでもようやく自分の今立っている位置が確認できました。
次はこれからどうやって前に向かって歩き出すかだと思います。
いままで私を苦しめた、忌まわしい過去はそろそろ清算したいところです。
そして私が探していたものは、本来はとっくになくなっていてただの影を追いかけていただけです。
影なんていくら追いかけたってつかまりっこありません。
これからはしっかり足元を見ながら前に歩いていきたいと考えます。
そういう葛藤の中で、こころの均等を図るには、辛いことと楽しいことを同じくらいにする必要があるでしょう。
それには楽しいことを増やすか、辛い思い出をなくしてしまうことです。
人間とはほんとうに良く出来ています。
身体もそうですが、こころだって均等をちゃんと図れるようになっています。
私も何時までも過去を振り向いているのは嫌ですから、
そんなことは早く忘却してしまいたいと思います。
今はちょっとした事で、まだ過去と比べてしまうけど、
こんな思いは年内で終わらせたいと思いますね。
まあ、不幸を上回る幸せが出てきて、上位で均等を図れることのほうが希望ですがね。
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