第268回
やれない理由を探す人
先日、ニュースの特集で急成長する楽天市場の特集をやっていました。
楽天市場はインターネット上のショッピングモールの最大手です。
最初はクレジットカードの番号を入力したりするというセキュリティの心配があったりしましたが、
前払いで代金を口座振替すれば大したリスクもなく、私も何かとお世話になっています。
探し物はまず、ここで探すといろいろな情報を得ることが出来ますし、
現実の店舗を構える必要がありませんから、市場価格より安いのが魅力です。
郊外型大型店舗に取って代わり、ますます地域経済の崩壊を促進しそうですが、
ここにテナントに入っている店舗の多くは、
崩壊の一途をたどる地域商店に見切りをつけた店が多いそうです。
しかし、仮想店舗とはいえ地方区から全国区への進出ですから、
その競争の激しさは今までの非ではなく、
毎日新しい店舗が出展する一方、その生き残りは厳しく、それ以上に店は消滅しています。
店が成功する秘訣は、商品、価格、対応、そして店構えでもあるHPの見栄えだそうです。
いかに商品が良くても、それをアピールできないと人の目に触れることはありません。
もともと楽天市場にはそのブランドとしての集客力はあります。
ここを訪れた人のどれくらいの人を店に引き込むかが勝負です。
楽天市場でもそうした出展者に対するフォローを行っていて、
ニュースの特集ではそうした楽天大学なるセミナーを取材していました。
セミナー参加者は、本来の店の売り上げに悩み、インターネットという未知の市場を選びました。
それなりに苦悩し、期待をしての参戦ですから、どなたもやる気はあるのでしょう。
私は「人は2種類、「やる人」と「やらない人」だ」というのが持論ですが、
このセミナーの講師が語っていた言葉がなかなか的を得ていたので
今後はこちらを採用しようと思いました。
それは「やる人」と「やれない理由を考える人」です。
やれない人もやらないのではなく、やる気はあるのです。
しかし、諸事情からなかなか出来ない。
随分やさしい言い回しですが、その行動は結局本人の価値判断によるものですから、
やらないことを「やれない理由」を考えることで正当化しているというのです。
若い女性の講師が商店主を目の前にこうした講義をしている様は見ごたえがありました。
楽天市場への進出がポジティブな発想であれば成功し、「やる人」となれますが、
現状からのエスケープゴートとしたら、いつまでたっても「やれない理由を考える人」に留まり、
やがて夢見た楽天市場も自分の将来を保障するものではないと気が付き、次の逃げ道を作るのでしょう。
似たようなことは身近にでもありますよね。
どこまで行っても生き残れるのは「やる人」だけというのが現実なのです。
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