第185回
マイノリティ・リポート
昨年公開されたスピルバーグ作品でトム・クルーズ主演の映画です。
以前設計させていただいたクライアントが、
息子さんの結婚を機にリフォームしたいということで打合せに行ったのですが、
このクライアントが映像マニアで、
レンタルビデオ屋が出来るくらい、ビデオやDVDがあります。
そこで借りてきたわけです。
近未来のアメリカで犯罪を予知し、
事件が起こる前に犯人予定者を拘束するというシステムが考え出されました。
効果は絶大で、システム導入後の殺人事件はゼロになります。
しかし、その影でもみ消される声なき声、
マイノリティ・リポートを無視してはいけない
まあ、こんな感じのストーリーです。
マイノリティ 少数派と訳したらよいのでしょうか?
ネットワークを運営する際もこうした少数派の意見を無視することは出来ません。
ネットワークの執行機関として役員会の設置が行われています。
役員会は会長、副会長、会計、監査のほかは地区代表で構成されています。
地区代表は地区会員の代表です。
ですから、地区の意見をまとめ、役員会で意見することで、
地区の考えをネットワーク全体の方向性に反映させることが出来ます。
役員会といっても、広域の団体のため、そうそう集まっているわけにはいきません。
そこで、役員専用メーリングリストを開設し、メーリングでの審議を行っています。
ところが、誰もがメールを使いきれているかというと、必ずしもそうではありません。
使い込んでいる役員は、メーリングを携帯端末で受けて、すぐその場で返信しますが、
もともとコンピュータが苦手な役員は、数日に1回程度、メールをチェックします。
数日チェックしなければ、審議事項は進み、メールの数も膨大なものになってしまいます。
結果、投稿が億劫になってしまい、発言しない地区代表が生まれてしまいます。
発言がないと決議機関である役員会が機能しません。
そこで「発言無しは原則肯定」というルールを提案しました。
そこである地区代表から、発言しないことにも理由があるから
発言無しはカウントしないで欲しいという意見が出されました。
役員会におけるマイノリティ・リポートです。
こういう少数の意見も貴重ですから、安全サイドで判断し、
一応はカウントしないことで決議し半年が過ぎました。
結果は機能しない役員会です。
忙しさにかまけて発言しない役員が過半数になってしまい、
どの議題も審議のテーブルに乗らないのです。
今回、会長案ということで、再度「発言無しは原則肯定」というルールを提案しました。
役員は地区のマイノリティ・リポートに耳を傾ける必要はありますが、
それを発表する場において、その職務を果たさないのでは困ります。
発言できない理由は、それぞれでしょう。
そういった理由を無視する気持ちはありませんが、
発言できるように努力する義務は役員としてあるでしょう。
偏った意見の暴走を食い止めるために、複数の役員による執行部が設置されているのです。
是非、地区代表は地区のマイノリティ・リポートを会の方向性に反映させる努力をしてください。
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