会長のつぶやき
僕の独り言につき合って
 

第167回

変わる都市計画

行ってきました六本木ヒルズ。
新しいもの好きで、おまけに建築ときたら行かない訳に行きません。
さすがにGWの混みようでは行く気がしませんでしたが、
そろそろどうかなと思って土日と出かけてきました。
国内最大規模の都市再開発として六本木ヒルズは森ビルが全精力を傾けたプロジェクトです。
戦後の都市計画は単に平面的な用途割付に過ぎませんでした。
それは職住分離をもたらし、結果として中心市街地の空洞化を生んだのです。
若い人たちは都心を離れ、郊外の住宅地に安住の地を求めますが、
そこに一緒についていった高齢者は、その記憶を引きちぎられ孤立しました。
また、都心に残ったお年寄りにとっても、高度に職に特化した市街地は生活しやすいものではなく、
都心にひっそりと車社会に適応できずに暮らしていました。
その街を職と住、エンターテーメントも含めた文化の街に変革しようというのがこのプロジェクトです。

森ビルのHPによると
「東京は、ニューヨークやロンドン、パリと肩を並べる国際都市であるにもかかわらず、都市文化の成熟度においては、大きく遅れをとっていると言わざるを得ません。
東京に「文化」の核をつくり、日本を代表する「文化都心」を創出するために計画されたのが「六本木ヒルズ」です。
この計画は、現在計画されている既成市街地の再開発プロジェクトのなかでは、国内最大規模。施行区域約11ヘクタール、総延床面積約724,000m2というスケールを誇ります。ここにオフィス、住宅、ホテル、商業施設、文化施設などの機能を融合させ、また、既存の池・緑の保全をはじめ、公園・広場などを整理し計画敷地面積の過半をオープンスペースとすることで、緑豊かで潤いのある文化都心を実現します。」
とあります。
多くの地権者は高齢で、彼らはC街区の居住ゾーンに住むことになります。
1階は高級ブランドショップが並ぶ、セレブな街並みに生まれ変わり、
これが地権者にとって住みやすいかどうかはわかりませんが、
郊外に出た子供たちはきっと、彼らと同居を望むでしょうね。
そういう意味では成功かもしれません。

一月350万円の信じられないような賃料や狂気の物価はともかく、
少なくとも住を無視した街ではないというコンセプトは
パリやロンドンなどの国際都市の基本を周到したものです。

平面計画的な都市計画から立体的な都市計画への移行はこれからの街づくりの参考になるでしょう。
街は集約化してこそ機能的なのです。

おのぼりさんということで、六本木ヒルズツアーに参加してきました。
東京シティビューということで、
ちょうど都内の中心に位置するこの六本木ヒルズの53階の展望フロアから東京の高層化を見てきました。
ツアーに参加した人の特権として、屋上のヘリポートまで上ることが出来ます。
さすがに建物の外でしかも高層ビルの屋上という環境は始めての体験でした。
火曜日にはBzのプロモーションビデオの撮影が入っているそうですよ。

オープニングエキジビジョンということで「世界都市〜都市は空へ」という展示が行われていました。
こちらはロンドン、パリ、フランクフルト、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク、上海といった国際都市が
いかにコンパクトで高層化を目指した都市づくりを標榜しているかを紹介することで、
東京という都市が今後どの方向に向かうべきかを考察するというものです。
私も半分以上は訪れたことのある街ですが、あらためてその街並みを頭に描きました。
この企画はお勧めです。
東京に行く機会のある方で、まちづくりや建築に興味があったら行く価値はあるでしょう。

建築を業としている人間としてこの街をみて感じたのは
日本の街もここまで来たかという完成度の高さです。
私ももしセレブなら住んでみたい街ですね。
でも新しすぎて、生活感が全然無いのは気になります。
一方FJC.Nの会長的にこの街をみて感じたことですが、
あれだけ完成度が高いのに、足元に目を落とすと、
ゆるい石造り風の階段は素材感が邪魔をして段がきちんと認識できず、
結局後付で危険予知用に黄色いシールを貼っているとか、微妙に気が回らないところが気になりました。

C街区のけやき坂では今もブランドショップがつぎつぎと建築中ですが、
おもしろかったのがヴィトンの直営店の工事現場です。
現場を取り囲む塀にまで施されたLVのマークには、さすが!と頭が下がりました。
先日も名古屋店の光るモアレの外装を見てきましたが、今度はどんな建築をみせてくれるのでしょう?

さてツアー参加者は首からプレートをぶら下げて歩くのですが、
そのプレートの紐が六本木ヒルズのロゴをあしらっていてちょっとよい感じです。
携帯電話のストラップになりそうなのでツアーが終わったらお土産になるのかなと思っていたら
最後に取り上げられてしまうんです。
そりゃ無いよと思って、ツアーデスクに戻り、カウンターの女の子に談判したら、
少し相談してくれて、結局ストラップをゲットしてしまいました。
他の人はもらえなかったみたいだから、これはお宝ですね。
やはり思ったことは口に出すべきです。控えめではいけません。

副会長の星野君も首から長いストラップで携帯をかけていますが、
彼のはコダマ薬局から貰ったアブブのストラップ、
私のは六本木ヒルズでしかも非売品!
これでまた会長としての面目を保ったということですな。

2003年6月16日(月曜日)
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■会長 : 小林 哲也(KOBAYASHI TETSUYA)
1961年新潟県三条市生まれ。1級建築士事務所 FORUM主宰
建築士会で1999年 福祉住環境コーディネーター検定対策講座を開催。
その際集まった仲間と「福祉住環境コーディネーターネットワーク」を結成する。
ちいき住宅工房主宰

■講演
2003年
5月  福祉住環境整備講習会(新潟・長岡:(社)新潟県建設業協会)
    見附市福祉住環境講習会(見附商工会) 

2月  パネルディスカッション「福祉から見た健康住宅」(県央地場産業センター:健康住宅サミット)
1月  福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
    平成14年度介護支援専門員現任研修(佐渡中央会館:佐渡地域振興局健康福祉環境部)
2002年 
12月  福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
11月  十日町住宅改修講習会(十日町地場産業振興センター:十日町市)
7月  介護保険 住宅改修研修会(三条総合福祉センター:三条市)
4月  加茂商工会議所研修会(加茂商工会議所:加茂商工会議所青年委員会)
3月  住宅改修セミナー(西川町役場 保健センター:巻保健所)
     福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
2月  福祉住環境セミナー(新宿:建築情報社)
     福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
     住宅改修セミナー(新潟NOCプラザ:阿部木材株式会社)

■取材
2002年
11月   新潟日報社 ハウジング新潟2003「2000万の家」
10月   新潟日報「いつまでも我が家で-寝たきり予防へ改修」
9月   TeNY「介護豆知識-住宅改修」
8月   新潟日報「介護住宅改修事情」
4月   日経アーキテクチュア「資格に頼らず、資格を生かす」
2月   新潟日報社 ささえーる2002「住宅改修事例」
2001年
11月   新潟日報社 ハウジング新潟2002「こだわって新潟」

■リポート
2002年
12月   オランダ建築視察旅行記(PDF:ご覧になるにはアクロバットリーダーが必要です)

■作品集
最近の作品です。よろしかったらご覧ください。

お問い合わせはこちらへお願いします。
































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