第136回
人の付き合いに一方通行ということはありません
私が担当している日建学院の総合設計コースですが、
受講されている方の何人かは私よりも先輩です。
そんな先輩の一人、Sさんは不動産業を営んでおられます。
新潟市内も不動産は低迷しています。
万代島再開発の朱鷺メッセなど、一部を除いたら事業縮小で需要は少ないのです。
Sさんが管理しているビルも立地はそんなに悪くないのですが、
今までテナントで入っていたブティックが撤退したあとが埋まりません。
ビルのオーナーは県外の歯科医の先生です。
このまま賃料を下げても資産価値が下がるばかりです。
いっそのこと、医院を開業しようかという話になりました。
しかし、現在、歯科医も供給過多の時代。
保険診療に頼っていては、経営が難しく、ここであえて資金を投入する意味がありません。
そこで、良い提案は無いかと私にコンタクトをとってくれました。
学校では講師と生徒の関係ですが、
Sさんはその人生経験の目で私を判断してくれたようです。
昨日、オーナーともお会いして、いろいろ打合せをさせて頂きました。
オーナーも先進的な発想をお持ちの方で、
従来の歯科医のイメージを変えた、
これからの指標となるような医院造りを模索されています。
半日お話をお伺いした中で、歯科医の世界も若干見えてきました。
10日ほど、お時間を頂き、私からの提案をさせて頂く予定です。
ちょっと他とは違う歯科医院を提案しますのでご期待下さい。
また、管理している賃貸アパートの空室率も気になるところです。
新しい物件はすぐ埋まるのですが、
もともと需要がそんなに増えているわけではありませんので、
住居者が新しいところに移動しているだけです。
一度空室になったアパートがなかなか埋まりません。
しかし、一方で高齢者の居住空間の不足は深刻な問題です。
アパートのオーナーがお金や安全面を考えて、高齢者の入居をあまり好まないからです。
昨年施行された高齢者居住法では、そういうオーナーの不安を解消し、
高齢者の住宅確保を目指していますが、あまりこの制度を知っている人は居ないようです。
この制度を利用して、空室率を下げてはいかがですかと提案しました。
こんな風に学校では講師と生徒でも、
一歩外に出たらビジネスパートナーになります。
人と接するということは、一方通行ということはあり得ません。
必ずどこかで繋がっていくものです。
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