第13回
先生は隣にいます
ネットワークの例会では事例発表をしてくださいとお願いしています。
福祉住環境整備をやっているとひとつとして同じ内容はありません。
テキストには代表的な改修方法が掲載されていますが、 それのみで解決方法を探ることは困難です。
事例ごとの条件や環境をもとに、改修方法を模索するのです。
ネットワークではケアマネを含む、最低3名がチームを作ります。
担当者1人のスキルのみに偏ることなく、
おのおののスキルをベースにした多方面からのアプローチを行うためです。
ネットワーク会員の職業は多岐に渡っています。
そして、その分野の最先端の人たちでもあります。
福祉住環境整備のプロです、と嘯くコーディネーター1人にまかせるより
彼らがその経験をもって、福祉住環境コーディネーター検定という
共通の知識をベースにチームアプローチを行えば、
かなり有効な提案が行われるものと思います。
実際、ネットワークではさまざまな事例を作ってきました。
その幾つかは、新潟日報社刊「ささえーる」や新聞紙上で紹介されています。
また、ケアマネを含めたチームアプローチの成功は
ケアマネによる福祉住環境整備の作業を軽減し、
福祉住環境整備の提案を促進させる効果があったと思います。
さて、これだけの実績を持つネットワークですが、
会員の全てが住環境整備の実務に就いているわけではありません。
これも会員の職業が多岐に渡るからです。
行政職員や議員、教職や学生、主婦
変わったところではタクシーの運転手さんも参加しています。
彼らはネットワークにその知識を求めてくることが多いでしょう。
また、実務にあたっている会員も
試行錯誤による住環境整備のため、行ったことに自信がなかったり、
また、自信がないゆえに、実績を伸ばせない人もいます。
そこで、例会を開催する際、どんな例会を期待するかと尋ねると
知識を得たい、講師の話を聞きたいという意見が出てきます。
参加している人は、みなさん検定取得者で一応の知識をお持ちなのですが、
どうもそれだけでは満足いかないようです。
外部から講師を招くことも大切なことかもしれません。
しかし、そこに参加している人たちも、
実はすごい講師であったりするのです。
いっぱい、失敗したり、その原因を探るためにもがいている人は
生きた知識の塊です。
外部講師の話は多くは、他の書籍からも得ることが出来ますが、
生きた知識は例会でしか得ることは出来ないでしょう。
隣にいる人より遠くにいる人のほうが評価しやすいのかもしれませんが、
実は隣にいる人だってすばらしい先生なんです。
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