会長のつぶやき
僕の独り言につき合って
 

第101回

うだつがあがらない

岐阜県美濃市は「うだつの上がる町並み」として
重要伝統的建造物群保存地区指定されています。
「うだつ」というのは隣家との間の屋根に立ち上げた防火壁です。
美濃市は美濃和紙が有名で、長良川を通じて、全国に商いを行っていました。
そうした紙問屋やその他の商家が軒を連ね、
その防火対策として「うだつ」が出来たというわけです。
最初は実用的な防火壁も、次第に装飾がされ、華美を競うようになります。
江戸時代から明治にかけて作られた「うだつ」は富の象徴だったのです。
制作年代が新しくなるにつれ、デザインが変わっていくのも興味深いものです。
ひさしが低く、道路側に流れる屋根と「うだつ」の上がった商家が
これだけ現存しているのは貴重です。
そのうちの何軒かは中を公開しているのですが、
正面からは想像も出来ないくらい、奥行きが大きく、豊かな町屋のデザインは
都市型住宅の設計に大いに参考になりました。

美濃市では毎年10月になると「あかりアート展」を開催します。
この「うだつの上がる町並み」を舞台に美濃和紙で作った灯りを灯すのです。
その柔らかい灯りに浮かび上がる町並みは、
パンフレットを見ると、とても幻想的で、一度は訪れたく思いました。

「うだつ」を上げた家に住むというのは、成功の証です。
そこで、庶民は旦那様の家を恨めしく眺めながら、
いつまでもうだつの上がらない自分の人生を儚んだのでしょう。

昔の生活にはメリハリがありましたね。
上を目指すものにはちゃんと目標がありました。
今の生活はなんだか、中流意識ばかりが幅を利かせて、
なかなか「夢」を持つことが難しい。
貧富の差をあまりネガティブに考えてないで、向上的に考えなければいけない。
かつての日本人の貪欲さが今は大陸に移ってしまいました。
今の日本人は「プロジェクトX」を見ることでかつての繁栄を懐かしむだけです。

どうせ生きるなら「うだつ」の上がる人生にしたいものです。

2003年4月11日(金曜日)
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■会長 : 小林 哲也(KOBAYASHI TETSUYA)
1961年新潟県三条市生まれ。1級建築士事務所 FORUM主宰
建築士会で1999年 福祉住環境コーディネーター検定対策講座を開催。
その際集まった仲間と「福祉住環境コーディネーターネットワーク」を結成する。
ちいき住宅工房主宰

■講演
2003年
1月  福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
    平成14年度介護支援専門員現任研修(佐渡中央会館:佐渡地域振興局健康福祉環境部)
2002年 
12月  福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
11月  十日町住宅改修講習会(十日町地場産業振興センター:十日町市)
7月  介護保険 住宅改修研修会(三条総合福祉センター:三条市)
4月  加茂商工会議所研修会(加茂商工会議所:加茂商工会議所青年委員会)
3月  住宅改修セミナー(西川町役場 保健センター:巻保健所)
     福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
2月  福祉住環境セミナー(新宿:建築情報社)
     福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
     住宅改修セミナー(新潟NOCプラザ:阿部木材株式会社)

■取材
2002年
11月   新潟日報社 ハウジング新潟2003「2000万の家」
10月   新潟日報「いつまでも我が家で-寝たきり予防へ改修」
9月   TeNY「介護豆知識-住宅改修」
8月   新潟日報「介護住宅改修事情」
4月   日経アーキテクチュア「資格に頼らず、資格を生かす」
2月   新潟日報社 ささえーる2002「住宅改修事例」
2001年
11月   新潟日報社 ハウジング新潟2002「こだわって新潟」

■リポート
2002年
12月   オランダ建築視察旅行記(PDF:ご覧になるにはアクロバットリーダーが必要です)

■作品集
最近の作品です。よろしかったらご覧ください。

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