第89回
夢は実現します
無事「ハウジング新潟2004」の取材を終えました。
今年の10月末に発刊される予定だそうです。
今回 取材を受けたのは三条氏のHさんです。
H邸は土地探しから始めました。
子供の学区を変えたくないということでしたが、
予算上の制約もあり、なかなか適当な物件が見つかりませんでした。
全体予算がありますから、土地に多くの予算を割り当ててしまっては建物が建ちません。
メーカーを回っても土地・建物になると予算がなかなか合わないし、
土地が安いからといって、建築条件付で紹介された工務店の間取りは気に入らない。
大分気分が落ち込んだ状態で、知人経由で私と出会いました。
「しょうがない」
本来、もっとも人生の中でいきいきとした状態で家造りをするものですが、
Hさんから出てきた言葉は「しょうがない」でした。
誰しも条件はあるものですが、それを言っていると家が建たない。
そういう現実の壁が目の前に見えたそうです。
しかし、Hさんの言っている現実ってなんでしょう?
業者から与えられた情報が現実であると考えているようです。
しかし、それはあくまでも業者が業者サイドの考えを
押し付けているに過ぎないことが多いのです。
業者の持ってくる見積もりが、自分の要求を満たしていると判断できるのでしょうか?
業者に自分の想いをしっかり伝えているのでしょうか?
自分の想いを伝えきれず、業者は勝手に解釈して、
それが家造りになっているケースがあります。
施主は素人ですから、自分の想いをきちんと伝えることは難しいのです。
そこで設計者がカウンセリングに当たります。
当初、Hさんは私に設計業務を依頼することは、出費が増えることだと感じました。
しかし、私がカウンセリングを行った結果、
今まで学区内はとても手が出ないと思っていた土地も、
変形敷地なら予算内で手に入れることが出来ることがわかりました。
今まで変形敷地では土地が有効利用できないので、
自分の希望の間取りは出来ないと言われたり、本人自身もそう暗黙に思っていたそうです。
しかし、変形敷地は設計次第では、とても豊かな空間を生むのです。
建物も全てを完成する必要はありません。
まだ子供は小学生です。
これからの家族構成はどうなるか分かりません。
「ゼロポイント」の住宅は自分たちでも、住み続けながら家造りは可能です。
成長し続ける住宅は、Hさんの無理だと感じていた予算以下の1500万円で実現できました。
設計者を加えることで、施主の希望をかなえることが出来る。
「カウンセリング」これが私たちの業務です。
施主の想いを現実のものにするために、設計者は関わります。
「ちいき住宅工房」は設計者と施主が対面するのではなく、
同じ方向を見ながら、家造りを行っているのです。
|