第85回
ちいき住宅工房
今週末、新潟日報社の取材を受けます。
同社が発行している「ハウジング新潟」という年1回刊行する住宅情報誌です。
この情報誌には3年連続で取材を受けることになります。
最初の年は特集記事「こだわって新潟」の第1回目でした。
県内の建築家を紹介するシリーズでした。
丁度、「ちいき住宅工房」を立ち上げた時でした。
「ちいき住宅工房」はFJC.Nの建築系会員の有志で作った建築集団です。
FJC.Nは建築的側面から福祉住環境整備をサポートするボランティアです。
そうした活動で得たノウハウは、日々の私たちの業務にフィードバックされます。
建築という作業は大変複雑な作業であるということは以前にもお話しましたが、
FJC.Nの活動は、現代の住宅を見つめなおす作業でもあるのです。
「ちいき住宅工房」は様々な側面から、住まいというものを捉えています。
高齢社会や障害者の問題からも、いろいろな見直しが成されました。
構造一つとっても、従来の間取り先行の設計手法では、
それに合わせた構造になってしまいますが、
将来の状態にあわせて、可変性を考えると、最初に構造ありきで
自由な間取りを目指すという設計手法になりました。
最近のハイテク住宅も良いのですが、もっとシンプルに
自然の力を利用した※バウビオロギーの要素を取り入れた家になりました。
カタログに載っているような建材を貼り合わせたような住宅ではなく、
FJC.Nに所属する「ちいき」の職人が造る住まいは地域経済に貢献します。
なにが必要で、なにが不要なのかを見つめ直し、
設計指針「ゼロポイント+(プラス)」は住まい造りを住み手にも開放しました。
こうした取り組みが面白いということで特集された訳です。
コンセプトモデルとして造った「Noel(ノエル)」はその後、
建築士会といった専門家集団の視察の対象にもなっています。
FJC.Nは単なる福祉住環境整備ボランティアではなく、
専門家集団として、住環境を取り巻く様々な場面で活動しているのです。
※Baubiologie(独):「建築生態学」・「建築生物学」
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