第74回
住宅改修のコーディネーターはケアマネージャー
ネットワークでは住宅改修をケアプランの一環として位置づけ、
住宅改修を実施する際は必ずケアマネージャーが加わり、
ケアマネージャーに理由書の作成をお願いしています。
それがケアマネージャーに課せられた職務であるとの認識からです。
ただ、ケアマネージャーが建築的に専門的な知識を持っているわけではありませんから、
FJC.Nは建築の専門集団として技術的な側面からサポートするという活動を行っています。
FJC.Nで登録される実務者とは利用者の状況を把握し、
問題抽出から理由書を作成するケアマネージャーといった福祉系実務者、
現地を調査したり、打ち合わせ、行政とのすりあわせを行う建築系(設計)実務者、
実際に作業を行い、フォローアップまで担当する建築系(施工)実務者に分類されます。
実務者には福祉・医療なり建築の実務者として耐えうる知識が当然必要であり、
その上でお互いの専門性を理解しうる最低限の知識として
福祉住環境コーディネーター検定2級程度が必要であると
役員会に設置した実務委員会では実務登録にあたり検討作業が進んでいます。
いずれにしてもコーディネーター検定は最低限取得すべき知識であり、
この検定合格のみをもってコーディネーターなどと名乗るのはおこがましいというのが、
ネットワークが会員に向けて、またネットワーク外に訴えていることです。
昨日、財団法人テクノエイド協会の中込部長とお話する機会を得ました。
彼が提示した冊子にも同様の記載がありましたので大変心強く思いました。
その冊子にはケアプランにおける住宅改修の位置づけが定義されています。
あくまでも重要なのはケアマネージャーであると言うこと。
ケアマネージャーが最も対象者を客観的に観察できるポジションであり、
ケアプランには対象者の自立を促進する社会資源を盛り込まなければなりません。
しかし、残念ながら、住宅改修があまりに自分の専門性から遠く、敬遠してしまい、
ケアプランに反映されないという現実があります。
ケアプランに住宅改修が盛り込まれないと言うのは厚生労働省も問題視している現実です。
ケアマネージャーが敬遠する建築的介護力の分野に隙間産業的に入り込もうとする
一部の「福祉住環境コーディネーター」という肩書きのスペシャリストも存在するようですが、
国の大きな方向性としてはあくまでもケアマネージャーが
住宅改修に関してもコーディネーターで在りなさいと示しており、
必要なのはそれを支える建築系の専門家や作業療法士といった医療系の専門家なのです。
現在ネットワークが勧めている実務登録が、
その大きな流れにしっかり沿っていることが確認できたわけです。
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