第7回
危険な自己完結型住宅改修
住宅改修を行う場合、
注意しなければならないのが 自己完結型の工事です。
人はそれぞれ専門の分野があると思いますが、
時としてその専門性があだとなります。
私はいろいろな場面で講演を行っていますが、
その多くはケアマネに対するフォローアップセミナーです。
一定の知識を持っているケアマネに対し、
フォローアップとはずいぶん失礼な話ですが、
介護保険導入後、本来居宅支援のための制度にかかわらず
ケアマネの作成するケアプランの多くは施設利用の計画でした。
その理由として考えられたのは
ケアマネの経歴でした。
ケアマネの多くは医療および福祉施設の実務経験者です。
ですから、彼らの専門性をもってケアプランを作成すると
どうしても彼らの経験に基づくプランに傾いてしまいます。
そこで、居宅支援をもっと考えてくださいということで
フォローアップセミナーを行わなければならなかったのです。
同じように、建築業者に住宅改修を相談するとどうしても
建物そのものに解決を求めてしまいます。
福祉用具業者に相談すると、福祉用具での解決を考えます。
相談された人にとってみたら、
自分の専門性で解決方法を考えるのは
まったく、正当なことです。
福祉住環境整備は一業種の見解では
なかなか解決には至りません。
ですから、ネットワークでは福祉、建築
他複数の人員によるチームアプローチを提唱するのです。
一生懸命、福祉住環境整備に力を注いでいる人ほど
この自己完結的な解決方法を模索しがちです。
その解決方法がいつも適切であれば問題ありませんが、
人間には必ず間違いがあるものです。
間違いを最小限に食い止める。
いろいろな意見を終結して、より効果的な福祉住環境整備を行う。
FJC.Nが提唱する福祉住環境整備のもっとも特徴的なのが
自己完結型住環境整備の否定なのです。
FJC.Nの福祉住環境整備は
原則的に、ケアマネのほか最低2名が参加して行います。
FJC.Nの住宅改修に自己完結型はありません。
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