第62回
継続能力開発(CPD)と専攻建築士制度
青年建築士研修会2日目に説明が行われた建築士会の新しい制度です。
建築士という資格は、国家資格として建築士法によって規定されています。
建築の際、確認申請という行政手続を行いますが、
これを業とするものは建築士でなければならず、
建築規模により木造、2級、1級と分かれています。
また、一定規模以上の建築工事の監理者も建築士である必要があります。
国民の安全と財産を守るという使命を与えられている建築士資格ですが、
近年の規制緩和と民間資格の台頭でその在り方が揺らいでいます。
建築士という国家資格にあぐらをかいていた設計事務所は
意識改革が迫られているのです。
そういう背景の中、建築士会としては
建築士個々の能力と高い専門性をを社会に示すことで、
社会に対し、信頼を勝ち取る努力を始めたのです。
どんな資格も取って終わりということは無く、日々の研鑽が重要です。
これを数値化することで実績として評価しようというのがCPDです。
CPDはポイント制で年間取得すべき単位が示されています。
ポイントとなる活動はさまざまで、いかに社会貢献しているかがその目安になります。
そのポイント取得は実務実績と研修による能力開発の2つの分野で行う必要があります。
マスコミに作品が発表されたり、どこかで講演会を行うような建築士は
その能力の高さが評価され、高いポイントを得ることが出来ます。
活動している建築士をちゃんと評価し、建築士会としてそれを認定するという意味です。
一定のポイントを取得すると、専攻建築士の認定が行われます。
専攻建築士は建築士会が認定する独自の制度ですが、
所属建築士の専門性と実務能力を士会が登録し、社会に明示するというものです。
消費者はHP等でその建築士の能力や専門性を知ることが出来ますので、
安心して業務を任せることが出来ますよという制度です。
FJC.Nがこれから行っていく実務登録と実務研修も同じ趣旨で行われます。
実務者はネットワークにただ参加しているだけではダメですよということです。
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