第53回
FJC.N発 ディサービスセンター
県央地区において、私と地区会員の設計事務所の共同設計で
ディサービスセンターを設計しております。
ネットワークの活動を見ていただき、
興味をもたれた居宅介護支援事業者の方からの依頼されたのです。
住環境整備を行う上で、地域社会におけるディサービスは重要です。
いくら居宅介護支援だからといって、
個人の住宅の整備だけで、問題解決は無理でしょう。
共働きによる人的介護力の不足も深刻な問題です。
そこで、住宅改修により本人の自立を促し、家族の介護力を削減する。
その一方で入浴や家族の外出といった介護力不足はディサービスが補う。
単に日中は施設に預けるという発想ではなく、
ディサービスをうまく利用した生活の確立が重要になってくるのです。
現在のディサービスは車による送迎が多いのですが、
地域社会として考えたら、歩いて通える範囲、小学校区に一つは必要でしょう。
少子高齢化ですから、人口割合から言っても保育所の何倍も必要なのです。
私たちの提案するディサービスセンターに施設色を出したくありません。
ディサービスは施設サービスではなく、在宅サービスです。
既存のディサービスでは機能回復といって、
さまざまなプログラムを強要しますが、
家に居たらのんびりTVを見ているのは自然なことです。
ディサービスに居たってそれで良いじゃないのでしょうか?
ただ、家族が仕事に行っている日中、一人でTVを見ているのではなく、
ディサービスに来れば知り合いとしゃべりながらTVを見れる。
そういう日常生活を通して、生活者としての自分を取り戻す。
そんなディサービスはいかがですかと提案したのです。
幸い、オーナーのお母様が昔からのビデオマニアで、
かなり初期の頃からTV番組を撮り貯めているとのこと。
なつかしのTVドラマコレクションは面白そうです。
友達とTVを見にやってくるという意識を大切にしたい。
FJC.N的ディサービスは住まいらしさを提案します。
連れて行かれるのではなく、そこは日常生活の延長なのです。
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