会長のつぶやき
僕の独り言につき合って
 

第51回

風水‐じつは現象的地理学

「家相」と「風水」は同じように考えている人が多いのですが、
調べてみるとだいぶ違うことが判ります。

前述のとおり、「家相」は日本で江戸時代中期に始まったもので、
今で言うと住宅設計指針に近いものでした。
「風水」は中国4千年の歴史の中で培われた都市づくりのノウハウです。

中国の歴代王朝が首都建設にかかるとき、
考えなければならないことがありました。

これはヨーロッパでもそうですが、
古代都市は外敵からの攻撃に耐えることがもっとも重要です。
大陸である中国への侵略は北東のモンゴルや満州族、南西の南方民族です。
そこで、この方角は特に注意し、守りを固めなければならない。
つまり、鬼門です。
一方、富をもたらすものは何か?
シルクロードを基盤とした東西貿易がそれにあたります。
その玄関口は北西であり、福門と呼ばれます。
「風水」は中国の地理を読み込んだ都市計画であったと思われるのです。

この現象的地理学ともいえる「風水」の考え方が
日本においては平安京の建設で活用されていることは
知っている人も多いことと思われます。
京都の地図を思い浮かべると、鬼門の方角にその守りとして
比叡山延暦寺が築営されていることがわかります。

中国では、「風水」も権力者の富への執着や原始宗教を取り込み、
形を変えながら現代に至ります。
今、さまざまな研究家(?)たちにより、私たちに語られているのです。
しかし、残念なのはその手法が危機感を煽る
怪しげな新興宗教みたいになっているところです。
せいぜい開運の黄色い置物を玄関に置くことで
私たちに富をもたらしてくれることを期待いたします。
なんだか、その置物を売っている人にしか富が集まらないのではと
ひがんでしまうのは、私の心の狭さ所以でしょうか。

現象的地理学、土地を読みその条件を抽出し、
もっともよいまちづくりを行うという手法は
西洋で行われた都市計画論と融合し、
一方でランドスケープデザインという形で進化を遂げています。
今まで私たちが行ってきた建築は
設備という強引な力で室内環境を作り、都市を砂漠化してきました。
それが今、環境を取り込むことで正常化したい。
環境と共生したいと大きく流れを変えようとしているのです。

「家相」「風水」に頭を悩ませている建築諸氏
どうせなら、このへんまで語りましょう。
知識は使ってこそ価値があるのです。

2003年2月20日(木曜日)
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■会長 : 小林 哲也(KOBAYASHI TETSUYA)
1961年新潟県三条市生まれ。1級建築士事務所 FORUM主宰
建築士会で1999年 福祉住環境コーディネーター検定対策講座を開催。
その際集まった仲間と「福祉住環境コーディネーターネットワーク」を結成する。
ちいき住宅工房主宰

■講演
2003年
1月  福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
    平成14年度介護支援専門員現任研修(佐渡中央会館:佐渡地域振興局健康福祉環境部)
2002年 
12月  福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
11月  十日町住宅改修講習会(十日町地場産業振興センター:十日町市)
7月  介護保険 住宅改修研修会(三条総合福祉センター:三条市)
4月  加茂商工会議所研修会(加茂商工会議所:加茂商工会議所青年委員会)
3月  住宅改修セミナー(西川町役場 保健センター:巻保健所)
     福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
2月  福祉住環境セミナー(新宿:建築情報社)
     福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
     住宅改修セミナー(新潟NOCプラザ:阿部木材株式会社)

■取材
2002年
11月   新潟日報社 ハウジング新潟2003「2000万の家」
10月   新潟日報「いつまでも我が家で-寝たきり予防へ改修」
9月   TeNY「介護豆知識-住宅改修」
8月   新潟日報「介護住宅改修事情」
4月   日経アーキテクチュア「資格に頼らず、資格を生かす」
2月   新潟日報社 ささえーる2002「住宅改修事例」
2001年
11月   新潟日報社 ハウジング新潟2002「こだわって新潟」

■リポート
2002年
12月   オランダ建築視察旅行記(PDF:ご覧になるにはアクロバットリーダーが必要です)

■作品集
最近の作品です。よろしかったらご覧ください。

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