第48回
ネットワークの目的再確認
先日行われた役員会で、ネットワークの目的を再確認する
という作業が行われています。
FJC.Nの目的は発足以来、変わることはないのですが、
参加してくれる会員の「福祉」という言葉に対するイメージに幅があり、
ネットワークの目的をゆがめているのではないかという議論があるからです。
FJC.Nは福祉・医療・建築・その他のスペシャリストが
その基本となる専門性をベースに、
福祉住環境整備という共通の問題意識を持ち、
そのおのおのの専門性の中で
どのように福祉住環境整備にかかわりを持っていくかを
学習し、意見交換し、実践するために結成されました。
参加する会員の専門性は千差万別ですが、
福祉住環境コーディネーター検定という
ひとつの共通した知識を通し、お互いの専門性を確認しあい、
チームで福祉住環境整備を実践するのが目的なのです。
福祉を目的としたネットワークは他にも沢山あります。
その多くは人的介護力をボランティアで支えるネットワークです。
人的介護力は以前にも書きましたが、
今後低下の一途をたどると予測されています。
人的介護を補うほかの介護力が必要であるのは自明の理です。
そのひとつに住環境整備があるのであり、
このネットワークは福祉住環境整備の側面から
介護力を補うことを目的としております。
「福祉」の実践には様々な手法があると思いますが、
このネットワークでは建築的手法からアプローチしているのです。
そして、建築というものが決して一部の専門的なものではなく、
人が生きるということに深くかかわりあっているということを
このコラムでもお話している訳です。
福祉住環境整備に建築を排除することはできませんが、
そこに関わらなければならない人は
従来の狭い意味での建築業者だけでは決して成しえないというのが
FJC.Nが発足当初から訴えてきたことなのです。
しかし、漠然と「福祉」ボランティアだからと入会される何人かの会員の方は
その建築色の強さに違和感を覚えてしまいます。
福祉住環境整備とはそもそも建築をするということなのですが、
その建築を実践するということ=商売=自分たちには関係のないこと
という図式を作り上げてしまいます。
発足当初、建築系の人間がいかに福祉に歩み寄るかが最大のテーマでしたが、
どうやら、同時にいかに一般の人に建築ということを
理解してもらうかが重要であるとわかりました。
FJC.Nは建築系に特化した福祉ボランティアなのです。
一般的な福祉ボランティア組織とは若干意味合いが違います。
福祉住環境整備の実践が今後のちいき社会に重要不可欠であるという認識の上
どんどん参加いただきたいと思います。
今後、わかりやすい建築講座などを開き、
広く、一般市民の参加を募っていきたいと思います。
人が住むということをしっかり話し合いながら
一層、福祉住環境整備の実践を進めていきたいと思います。
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