会長のつぶやき
僕の独り言につき合って
 

第45回

伝えるということ

図面を描くトレーニングの一つとして、
「伝えるということ」を認識するという学習を行います。
図面には様々なルールがありますが、
それはなるべく簡潔に多くのデータを伝える為に決められています。
しかし、その意味が分からなければ、
単に訳の分からない専門的なものにしか見えないでしょう。
これは別に建築に限ったことではなく、
例えば音楽の世界にだってあてはまるでしょう。
五線譜は世界共通の言語ですが、分からない人には全然理解できません。

そこで、私の授業では、最初にルールを押し付けるようなことはしません。
まずは、自分が相手に伝える努力をしてもらうのです。
ぜんまい仕掛けのおもちゃを用意します。
このおもちゃをもう一つ作りたいけど、
おもちゃは一つしかなく門外不出だとします。
現物を見ながら造ることは出来ませんから、
やはり何らかの形でこのおもちゃの構造を伝える必要があります。
そこで、図面もどきを描くのですが、まずは自由に描いてもらいます。
からくりも分かりませんから、想像しなければならないでしょう。
外観の形状と、構造の関係はどうなっているのか?
それを人に伝える為にはどうしたら良いのか?
生徒は試行錯誤しますが、想像し、徐々に図面らしくなっていくものです。
図面はもともと、
先人たちのこうした試行錯誤により作られていますから当然です。
もちろん洗練された図面を望むべくもありませんが、
こうして図面の意味を知るのです。

福祉住環境整備の会合に出ていたとき、
図面を描けなければ参加してはいけないのかと開き直られたのですが、
その人にとって図面は特殊技能で、
知らない自分たちには排他的なものに写ったのかもしれません。
しかし福祉住環境整備を行うのに、
図面は最も有効な意思疎通の手段であり、別に特別なことではないのです。
建築とは関係ないから、図面を描けなくても良いということではありません。
分からないことは聞けばよい。
そのためにネットワークに参加しているのですから。

2003年2月14日(金曜日)
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■会長 : 小林 哲也(KOBAYASHI TETSUYA)
1961年新潟県三条市生まれ。1級建築士事務所 FORUM主宰
建築士会で1999年 福祉住環境コーディネーター検定対策講座を開催。
その際集まった仲間と「福祉住環境コーディネーターネットワーク」を結成する。
ちいき住宅工房主宰

■講演
2003年
1月  福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
    平成14年度介護支援専門員現任研修(佐渡中央会館:佐渡地域振興局健康福祉環境部)
2002年 
12月  福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
11月  十日町住宅改修講習会(十日町地場産業振興センター:十日町市)
7月  介護保険 住宅改修研修会(三条総合福祉センター:三条市)
4月  加茂商工会議所研修会(加茂商工会議所:加茂商工会議所青年委員会)
3月  住宅改修セミナー(西川町役場 保健センター:巻保健所)
     福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
2月  福祉住環境セミナー(新宿:建築情報社)
     福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
     住宅改修セミナー(新潟NOCプラザ:阿部木材株式会社)

■取材
2002年
11月   新潟日報社 ハウジング新潟2003「2000万の家」
10月   新潟日報「いつまでも我が家で-寝たきり予防へ改修」
9月   TeNY「介護豆知識-住宅改修」
8月   新潟日報「介護住宅改修事情」
4月   日経アーキテクチュア「資格に頼らず、資格を生かす」
2月   新潟日報社 ささえーる2002「住宅改修事例」
2001年
11月   新潟日報社 ハウジング新潟2002「こだわって新潟」

■リポート
2002年
12月   オランダ建築視察旅行記(PDF:ご覧になるにはアクロバットリーダーが必要です)

■作品集
最近の作品です。よろしかったらご覧ください。

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