第40回
大人の隠れ家
私の事務所でフレンチレストラン&バーの企画をつくっています。
クライアントからピアノバーをやりたいという打診を受けたのですが、
希望する土地の地代が高く、また分割不可ということで敷地も広いため、
バー単独での経営では設備費・地代の採算性が合いません。
そこで、昼間も営業するという
ダブルインカムで考えませんかと提案したのです。
昼間の営業が単独で収支が合えば、設備費と地代の負担を半減できる訳です。
店を創るときは、存在感を出すためのストーリーが大切です。
私が考えたのは大人の隠れ家
だからあえてバーの看板を出さないことを提案しました。
うわさを利用するのです。
昼間のフレンチレストランはワンコインランチを考えています。
おしゃれな雰囲気の中でワンコインながら満足できるランチを目指します。
午後はコーヒーとケーキ
コーヒーくらいは飲み放題としましょう。
ダイニングはシェフのお勧め料理だけで勝負です。
いろいろなメニューを提案するレストランは食材の確保が経済を圧迫します。
そこで、その日替わりでシェフの創作料理を提案します。
その日のメニューはエントランスで確認できます。
そして夜9時を過ぎると、照明が落ち、キャンドルが灯ります。
オーナーのピアノが静かに奏でられバータイムになるのです。
外のレストランの看板は灯が落ちますが、
その代わりバーの名前が照明で浮き上がる仕掛けです。
同じ店なのに時間で名前が変わる、ダブルネームの店ですね。
知る人ぞ知る大人の隠れ家の出来上がりです。
団体で行動するのではなく、二人で行く店を目指しています。
オーナーはバー部門専門で問題ないのですが、
重要なのはフレンチです。
誰か、やる気のある人居ませんかね?
共同経営ではありませんが、昼間のイメージは重要です。
ですから、ちゃんとした腕のある若いシェフを探しています。
レストラン部門で一定の地代が確保できたら、
それ以上の収益はその人の収入で構わないそうです。
ですからほぼ独立採算ということです。
ただし、夜に繋げる昼の営業ですから、イメージの統一は重要です。
ですから、オーナーとの人間関係も重要なポイントになるでしょう。
また、同じ敷地内には美容室やネイルといったサロン系の店舗も
同じイメージで誘致し、ちょっとした街区になります。
まだまだ問題山積みですが、実現すると面白いですね。
スタッフの問題、資金の問題
設計事務所が設計するのは建物だけでは無いのです。
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