会長のつぶやき
僕の独り言につき合って
 

第37回

まちづくりは自分の街で(1)

バブルの頃は、どの街もミニ東京を目指していました。
この頃はすでに郊外型大型店舗の進出で中心市街地は寂れていました。
商店街は郊外に流れていったお客を取り戻そうと、
役所と一緒にさまざまな方策を練っていた時代です。
円高も手伝って国全体が浮かれていましたから、
次の商店街を担う若手も危機感を感じているものの、今ほど深刻ではなかったと思います。
中心市街地の活性化をどうしたらよいかを自分たちで考えようとせず、
東京のコンサルタント会社に委託して、ずいぶん法外な料金を支払っています。

コンサルタント会社には最高の時代だったでしょう。
私は市民サイドで、まちづくりの会合に顔を出していましたが、
彼らの提案は決まって、日本全国総テーマパーク化でした。
彼らはリサーチと称し、ちょっとだけ、クライアントになる街の歴史を調査し、
街頭アンケートをやったりしました。
郊外に新居を構え当時のディンクスと呼ばれた夫婦共働きの層に、
「なぜ、中心市街地に買い物に行かないのですか?」と質問すれば、
街には車を停める場所が無くて不便だと答えるに決まっています。
また、旧市街地は防火規制で旧い雰囲気の建物を直そうとすると、
防火サイディングの特徴の無い画一的な顔になり、街並みはつまらないものになります。
それとアミューズメント性を追求した郊外店舗を比べるのですから、
中心市街地には面白さが無いという回答も出るに決まっているでしょう。
そこで、街の歴史からキーワードを探し出し、
街全体をテーマパークにして、お祭りで客を呼び戻そうという事になるのです。

私の住む三条市は刀鍛冶と金物の町というキーワードでしたから、
刀・金物→刃物→刃物といえばゾーリンゲン→三条ドイツ村構想
というなんとも短絡的な発想に高額なコンサルタント料が支払われたのです。
さっそくシンボルとしてハーメルンの館という安っぽい建物が建ち、
人気の少ない商店街では今も時報をからくり時計が奏でています。
それにしても近所のお茶屋さんがドイツ村と言われてもねということで、
結局この構想はバブルの崩壊とともに中途半端に終了しています。
コンサルタント会社が提出する企画書は街ごとにキーワードが変わるだけで、
大体同じ構想が日本中に蔓延した時代です。

今、私たちはそのツケを不良債権という形で清算しているわけですが、
自分たちの街の将来を他人に任せたのだからしょうがないですよね。


2003年2月6日(木曜日)
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■会長 : 小林 哲也(KOBAYASHI TETSUYA)
1961年新潟県三条市生まれ。1級建築士事務所 FORUM主宰
建築士会で1999年 福祉住環境コーディネーター検定対策講座を開催。
その際集まった仲間と「福祉住環境コーディネーターネットワーク」を結成する。
ちいき住宅工房主宰

■講演
2003年
1月  福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
    平成14年度介護支援専門員現任研修(佐渡中央会館:佐渡地域振興局健康福祉環境部)
2002年 
12月  福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
11月  十日町住宅改修講習会(十日町地場産業振興センター:十日町市)
7月  介護保険 住宅改修研修会(三条総合福祉センター:三条市)
4月  加茂商工会議所研修会(加茂商工会議所:加茂商工会議所青年委員会)
3月  住宅改修セミナー(西川町役場 保健センター:巻保健所)
     福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
2月  福祉住環境セミナー(新宿:建築情報社)
     福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
     住宅改修セミナー(新潟NOCプラザ:阿部木材株式会社)

■取材
2002年
11月   新潟日報社 ハウジング新潟2003「2000万の家」
10月   新潟日報「いつまでも我が家で-寝たきり予防へ改修」
9月   TeNY「介護豆知識-住宅改修」
8月   新潟日報「介護住宅改修事情」
4月   日経アーキテクチュア「資格に頼らず、資格を生かす」
2月   新潟日報社 ささえーる2002「住宅改修事例」
2001年
11月   新潟日報社 ハウジング新潟2002「こだわって新潟」

■リポート
2002年
12月   オランダ建築視察旅行記(PDF:ご覧になるにはアクロバットリーダーが必要です)

■作品集
最近の作品です。よろしかったらご覧ください。

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