会長のつぶやき
僕の独り言につき合って
 

第34回

雪国の公共交通−雁木

雪国の街並みを特徴付けるのが雁木です。
もともとは商店街が各々の店の軒先を提供し、
街の人の冬の歩道を確保しました。

近代的なアーケードに変貌したり、
その形そのものを無くしてしまっている雁木ですが、
今、街づくりの象徴として見直されています。

公共交通機関と歩行が移動の一般的な手段であった時代、
雁木は無くてはならないものでした。
しかし、交通手段が自家用車に移ると、
駐車場が必要になり、乗り入れのために雁木は切り取られます。
また、交通量が増えると、道路拡幅の為に建物は後退し、
いつの間にか雁木が無くなってしまいます。

住居が郊外に移り、移動が自動車になったことで、
中心市街地の歩行者は激減しました。
それでも郊外型店舗が進出する前は、路上駐車か、店の駐車場に車を留め、
直接、目的の店に行きました。
街は歩く喜びを失い、人と人の交流が薄れていきます。
もともと自動車で移動するには不便な街は
大規模店舗が郊外に現れるや、あっという間に客を失うことになるのです。

雁木を失い、車中心の道路になった中心市街地は
寂れる一方と人は言いますが、
実は最もインフラ整備されている地区でもあります。

中心市街地が不便なのは移動手段が自動車だからですが、
自動車を運転できない層には案外快適なのです。
そして福祉が街におりて来ると、確実にその層は増えていきます。
今こそ、雁木は復活する時期ではないでしょうか。
雁木が無い自動車中心の道路は雪が降ると歩けたものではありません。
たとえ歩道になっていても、そこに除雪した雪が積み上げられているのですから。
雁木は雪国では人と街を結ぶ重要な公共交通です。

2003年2月3日(月曜日)
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■会長 : 小林 哲也(KOBAYASHI TETSUYA)
1961年新潟県三条市生まれ。1級建築士事務所 FORUM主宰
建築士会で1999年 福祉住環境コーディネーター検定対策講座を開催。
その際集まった仲間と「福祉住環境コーディネーターネットワーク」を結成する。
ちいき住宅工房主宰

■講演
2003年
1月  福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
    平成14年度介護支援専門員現任研修(佐渡中央会館:佐渡地域振興局健康福祉環境部)
2002年 
12月  福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
11月  十日町住宅改修講習会(十日町地場産業振興センター:十日町市)
7月  介護保険 住宅改修研修会(三条総合福祉センター:三条市)
4月  加茂商工会議所研修会(加茂商工会議所:加茂商工会議所青年委員会)
3月  住宅改修セミナー(西川町役場 保健センター:巻保健所)
     福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
2月  福祉住環境セミナー(新宿:建築情報社)
     福祉用具住宅改修講習会(新潟ユニゾンプラザ:新潟県社会福祉協議会)
     住宅改修セミナー(新潟NOCプラザ:阿部木材株式会社)

■取材
2002年
11月   新潟日報社 ハウジング新潟2003「2000万の家」
10月   新潟日報「いつまでも我が家で-寝たきり予防へ改修」
9月   TeNY「介護豆知識-住宅改修」
8月   新潟日報「介護住宅改修事情」
4月   日経アーキテクチュア「資格に頼らず、資格を生かす」
2月   新潟日報社 ささえーる2002「住宅改修事例」
2001年
11月   新潟日報社 ハウジング新潟2002「こだわって新潟」

■リポート
2002年
12月   オランダ建築視察旅行記(PDF:ご覧になるにはアクロバットリーダーが必要です)

■作品集
最近の作品です。よろしかったらご覧ください。

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