第269回
ご健闘をお祈りしています
2ヶ月間にわたる2級建築士設計製図講座が昨日終了しました。
長いようで過ぎてしまうと短いものです。
いよいよ日曜日は試験です。
講座を開講当時は一式図面に10時間以上かかっていた受講者は
まじめに出席していれば3時間半で完成をさせるようになっていますし、
エスキス(プランニング)も1時間で行えますから大変な進歩です。
受験対策としては、ほとんど素人の状態からここまで来ましたからほぼ目標は達成したと思います。
おそらく、一生の中でこれほど図面を手で描くという経験はもう無いでしょう。
これはとても重要なことです。
手描きの図面はCADと違ってごまかしがききません。
線には必ず始点と終点があり、それは実際の建物に反映します。
図面の遅い人は現場を知らない人が多く、線を引くたびにどうなっているのだろうと悩むのです。
作図のスピードは、単に線を引くスピードが遅いのではなく、
引くまでにいろいろ考えている時間がかかってしまうので遅いのです。
それはすなわち、建物をきちんと理解できていないということを示しています。
そして、2ヶ月のトレーニングを経て、多くの人は驚異的に作図時間を短縮しました。
ライバルは結局自分です。
自分をしっかりと持ち、周りを気にしないことです。
隣が描き始めたからといってあせる必要はありません。
トレーニングの中で自分が作図可能な時間の把握は出来ているでしょう。
一式図面の作図は各自の時間管理能力が求められます。
まず最初にタイムスケジュールを問題の片隅にでも記入することをお勧めいたします。
また、問題の設計趣旨は実務で言えばクライアントの声です。
しっかり読み、何を要求されているかを理解してください。
問題文に無駄な文章は無く、反対にしっかり問題文を読むだけでほぼエスキスは完了してしまいます。
エスキスは国語力を試されているのです。
いかに受験対策とは言え、学ぶ内容はれっきとした建築です。
日曜日の受験は最終地点ではなく、通過地点なのです。
早く合格の吉報を手にし、実務の中で私たちの講義を活かして欲しいと思います。
今まで描いた図面の数は大きな自信になるでしょう。
学院に来ない受験者がこれほど図面をこなしたとは考えられません。
この2ヶ月の経験を十分活かして下さい。
私の講義を受講した皆さんのご検討をお祈り申し上げます。
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