第256回
ケアマネに読み替えたほうがわかりやすい?
検定対策講座をおこなって毎回思うのですが、
福祉住環境コーディネーターの説明の部分はなにか無理を感じます。
コーディネーターという職能があるのかどうかという議論はさんざんやってきて、
結論としては「コーディネーターマインド」を福祉住環境に携わるすべての人たちの
共通の考え方としよう。
この検定はそれを実践するための最低限の知識である。
ネットワークでの解釈はこの辺に落ち着いていますし、
先日の総会でもコーディネーター協会の理事によりこの事項の確認をおこなっています。
しかし、それでは検定受験者、特になんの専門性も背景としなくて、
「福祉住環境コーディネーター」というこれからの時代に期待される専門職であると
淡い期待をもっている一部の人たちには納得してもらえないらしく、
公式テキストでも職能としてのコーディネーターの説明が書かれています。
対策講座ということなので、このくだりを無視することは出来ません。
テキストを読んでいくと、どうもコーディネーターとケアマネがダブって見えてしまいます。
無理に専門職としてのコーディネーターを台頭させると、
実際の現場では混乱するのではないのかな?
ケアマネとコーディネーター、福祉住環境整備の方向性を模索する中で、
船頭が2人もいると面倒くさいと感じるのは私だけでしょうか?
私は実践する中で、建築士という専門性を崩すことはないし、
建築サイドの専門家としてケアマネの示す方向性を建築的にサポートすれば良いと思っています。
その際、この検定で学んだ知識は最低限有効と感じますし、
日々の実践の中で新たに学ぶことは大きいのです。
コーディネーター検定の知識や考え方は学ぶ価値はあります。
しかし、誰が現場でコーディネートするポジションに居たら一番有効かといえば、
やはりそれはその仕事で経済的に成り立つケアマネ以外に考えられません。
他の専門職が逸脱してコーディネートしても、コーディネート料を請求するのは難しいでしょう。
理由書の作成を糧に生活するなんて現実的ではありませんし、
工事をしたり、福祉用具を販売することで糧を得るとしたら、
コーディネーターなんてオブラートを掛けた言い回しをしないで、しっかりその専門性を前面に出すべきです。
公式テキストのこのくだりをコーディネーターではなくケアマネと読み替えてみると、
とても内容がすっきりします。
ケアマネは福祉住環境整備にもっと理解を示し、勉強する必要があるでしょう。
その上で、様々な専門職も共通の知識をもって、その専門性の側面からサポートする。
これが正解なのではないでしょうか?
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