第252回
虫の音
昨日から建築士試験、設計製図講座のクリニックが始まりました。
講座を開講して1ヶ月、ようやく前半が終わったところで、
受講生の悩みを聞き、これからの受講のコンサルティングを行おうという趣旨で、
6時から9時まで講師陣が対応します。
講義の前半は製図の時間内完成が目的ですが、
必ずしも設計の仕事をしているわけでもない受講生にとって、
初めて描く図面を3時間半で完成するというのは至難の技です。
最初にこの講座に来たばかりの時は、10時間以上かけても満足な図面を描けませんでした。
図面を早く描く魔法はありません。
しかし、確実なのは人の描いた図面をトレースするより、自分で考えたプランを製図することです。
1ヶ月の間、きちんと課題をこなした人は、平面図に描かれる部屋のボリュームが身についています。
これが実は重要です。
後半はこの感覚を活かしながら、自分でプランを作成できるようにします。
きっとこれから飛躍的に製図時間を縮めることが出来るでしょう。
昨日のクリニックでも、相談内容は、
どうやって図面を描けば良いのか分からないといった初歩的なものではなく、
もっと突っ込んだ内容がほとんどでした。
クリニックに参加したのは全受講者の半分くらいでしょうか?
クリニックに参加するということは、何が判らないのかを判っているということです。
ですから、こちらも的確に助言できます。
今の段階で何をすべきかわからない人は、多分最初から講義に参加しておらず、
何を質問したら良いかも分からないという人たちでしょう。
製図試験の合格率は50%、学院の占有率は70%ですが、
そろそろ受講者たちにも明暗が分かれつつつあります。
1ヶ月頑張った人は、きちんと力がついています。
学習に魔法はありません。
講師は単なる水先案内人なのです。
今日、明日とクリニックは続きますが、
ちゃんと参加した人は大丈夫。
後半もしっかり付いてきてください。
今週、学科試験の合格発表があります。
後半講義の開講の際は、みなさんとまた顔を合わせることを期待しています。
夏の初めから始まった講義ですが、
昨日のクリニックを30分延長して終え学校を出たときに
草むらから虫の音が聞こえたのには、時間の流れを感じました。
あと3週間、その頃はすっかり田んぼの稲も刈られているのでしょうか。
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