第244回
一味違う歯科医院を造りたいと思います
夏休みも終わってしまいましたね。
あたりは残暑というよりは、すっかり秋の気配になってしまいました。
私も明日から、専門学校の授業が始まります。
9月は専門学校と建築士受験講座、検定対策講座を全てこなさなければなりません。
そのほかにも研修会などの企画が入っていて、
1年のスケジュールの中で、もっとも過密な時期になります。
残暑がきつくないのはありがたいかもしれませんね。
さて、本業の設計のほうですが、こちらもありがたいことに忙しいです。
8月中、企画してきた新潟市の歯科医院の工事がいよいよ始まります。
西堀に10月開業ですから、よろしかったらご注目ください。
歯科医も一時のように作れば稼げるという時代ではありません。
むしろ過当競争が激しく、閉院も多いのです。
特に市街地は激戦区で、今回の物件も1キロ圏内に5つも医院があります。
そこに稼げる歯科医をつくろうというミッションですから、企画力が必要です。
保険診療に頼っているのが大半の中で、
本当に深刻な診療は病院に持っていかれますので、
そのほかのおこぼれ頂戴的な軽度な診療しか回ってきません。
軽度な診療ではポイントが稼げませんが、それなりに生活は出来るので、
あまり積極的に事業を行っているという気合を感じないのです。
一方、街の歯科医に通う患者には、あまり病人の意識はありません。
内科や整形外科に流れている空気とは異質なものです。
今回はそのギャップを克服する提案を行いました。
まずは通ってきてくれる患者を医師と患者という区分けから、
カウンセラーと相談者という雰囲気にしようというものです。
歯科医にとって保険診療は、事業成立の保険のようなものです。
安定収入であることはたしかですが、これだけでは医院を維持するのがやっと。
そこで、保険外診療をいかに伸ばしていくかというのがポイントになります。
保険外診療としてはホワイトニングなどの審美術がねらいです。
日本は先進国と呼ばれる国々の中で、もっとも歯に対する意識の低い国です。
欧米では笑顔が美しくなければ就職も困難というのが一般的で、
歯の矯正やホワイトニングはリクルート活動に外すことが出来ません。
特にホワイトニングは美容室に行くようにカジュアルなものです。
今回作る医院はこの辺を攻めてみようという提案をしたのです。
そんな医院ですから、当然内装も従来の待合のようなものではなく、
どちらかというと美容室やエステに近いものになります。
診療までゆったりと過ごしてもらいたいと思いますし、
化粧室もきちんと化粧を整えられるようなものになります。
診療室も機器はさすがに難しいのですが、キャビネットなどは全てこのためにデザインしました。
インテリアはコンフォート感を大切に、ゆったりとした気持ちで診療を受けてもらえると思います。
10月開業を目指しますので、たまに報告しますね。
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