僕の独り言につき合って |
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第192回 吹抜けのある居間をもつ専用住宅 なんともとりとめのない課題ですが、今年の2級建築士の2次試験課題です。 ようやく1次試験が終わり、ゆっくり出来るかと思うと 間髪いれずに2次試験課題が発表されます。 去年は2級で初めて鉄骨造が出題されましたが、今年はまた木造に戻ってしまいました。 木造だから簡単かというとそうではありません。 まず、基本となるモジュールが尺貫法になります。 しかし、尺貫法は日本では使われていませんから、 尺をメーター表記に換算しなおして表現しなければなりません。 1尺は303o、3尺は910o、1間は1820oといった具合です。 たたき上げの大工さんならいざ知らず、メートル法の学校教育で育った受験者には高いハードルになります。 鉄骨ならメートル法で作れますから簡単です。 また、木造は断面詳細図(かなばかり)が出題されますが、 これも複雑です。同じ部材なのに位置が違うと名称が変わります。 そして、大体、線の数が多いのです。 木造は鉄骨造と比べると1.5倍程度余計に描かなければなりません。 もう、手書きで図面を描く会社は皆無でしょうから、 おそらくどの受験者は手書きの製図が始めての体験になります。 3.5時間程度で一式を描き終えないと失格ですから、 この物理的な面が非常に厳しいといえるでしょう。 木造という言葉が簡単そうとイメージされますが、 実は1級建築士でも満足に木造の図面を描ける人は少ないのです。 大学の建築を出て、いきなり1級を目指す人は、まず木造の図面は描けないと思われます。 今回の課題のテーマは、非常に曖昧なものです。 以前のように店舗併用住宅とか、二世帯住宅といった明確なものが示されていれば それなりに事前に調べ対応が可能ですが、 今回のような意匠的なテーマだと、試験場で与えられる条件を予測しにくいのです。 一般住宅を設計するのは実務でももっとも難しいものです。 また、今回のテーマからすると、今まで描かされていた立面図は断面図に代わりそうです。 そうしないと吹き抜け空間の表現が出来ませんからね。 またしても描かなければいけない線のボリュームが上がります。 今年は例年にも増して製図力が問われそうです。 製図力を高める魔法は無いのです。 単純に描いた枚数に比例していきます。 お盆までは製図力を高めるトレーニングをしますが、 今年はこの辺で大方の合否は決まってしまいそうな予感がします。 昨日の夜間講義からさっそく今年の課題に即したトレーニングが始まりました。 今年も暑い夏が始まります。 |
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2003年7月11日(金曜日) | |
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