第187回
棄権よりは無効?
私たちが政治に参加する方法は、私たちの声を国会に伝えてくれる代議士を選ぶことです。
つまり選挙に参加するということです。
しかし、残念ながら選挙権を持ちながら、選挙に行かない人たちが多く、
最近の選挙では投票率が6割を切るという状況が続いています。
政治離れ、政治への無関心というのがその理由かもしれません。
また、投票すべき候補者がいなかったり、政府そのものへの不信感も理由でしょう。
そうした4割の票は棄権として扱われます。
「棄権」というのは大辞林によると「権利をすてて行使しないこと」とされています。
ですから、いかなる理由があるにせよ、その主張は無視されますよということです。
参政権を放棄したひとに、政治への意見を言う権利はありませんし、
国民である以上、国会で決まったことに対しては従わなければなりません。
いかなる悪政が行われようとも、それに対して文句をいう権利を放棄しているのです。
文句を言いたければ、しっかり自分の意見を反映してくれる代表を国会に送らなければなりません。
でも、まわりを見渡したって、ろくなやついないじゃないか。
誰に入れたって政治は良くならないよ。
という意見を持っているとしたら、どうやって政治に反映させたらよいのでしょう?
国民が政治に参加する方法として選挙という制度がある以上、これを使わなければなりません。
まずは選挙に参加することです。
参政権を放棄するのではなく、きちんと何らかの形で意見を伝える努力は必要だということです。
もし、現状の政治家にあきあきし誰にも任せられないという意見なら、私なら白票をお勧めします。
白票は無効票として扱われ、カウントには数えられません。
しかし、入れるべき人が居ないのに、適当に誰かに票を投じるほうが危険です。
該当者無しなら該当者無しという意志を示すべきでしょう。
無効票でもきちんと政治に参加していますし、
棄権している4割の人が権利の放棄ではなく、白票を投じ参政してくれたら面白いでしょう。
おそらく過半数が無効票となりますが、
これだけ多くの人がきちんと選挙に来て、なお白票という意思表示ですから、
これを無効として扱えるものでしょうか?
棄権は自ら権利を放棄しているのですから、何も文句は言えません。
しかし、きちんと参政し無効になってもそれが過半数になれば無視できないのです。
参加するということ。
自分の意見を述べること
憲法が国民に保障している権利です。
これが出来ない人を社会的弱者という気持ちにはなれないし、
保護する対象にもなりません。
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