第15回
高齢社会とタクシードライバー
ネットワークにはさまざまな職業の人が参加してくれています。
変わったところではタクシーの運転手さんが居ます。
例会でご一緒すると、なかなか面白い話を聞くことが出来ました。
彼は介護タクシーを担当しています。
仕事をしている中で、
高齢者や障害者を取り巻く住環境に問題を感じたそうです。
そこで商工会議所の広告でネットワークの検定対策講座を知り受講。
その後、入会してくれました。
この不景気のなかでタクシー業界も大変です。
夜の街は人がずいぶん減りました。
その上、代行業者が進出し、タクシーは溢れています。 ドル箱だったお年寄りも、
老人保健法の改正で医者に入り浸る人も減っています。
そこで生き残りのために介護タクシーなど、
特化したサービスを開発するのだそうです。
夜の街で代行業者が進出するのは、利用者のニーズに合致したからです。
バブル時代は接待が多かったですから、仕事の延長でした。
タクシー代だって経費に計上できました。
今は飲みに行っても自腹ですから、
片道は自分の車で行って、帰りは代行というのは合理的です。
タクシー業界もこれでは敗者になってしまいますから、
さまざまなことを考えます。 景品でお客を釣る程度では今の時代は乗り切れません。
ジャンボタクシーや駅などでの乗り合いタクシーも
ニーズを掴んだサービスです。
買い物や便利屋を始めたタクシー会社もあります。
しかし、現代は高齢社会。
なるほど介護タクシーも時代のニーズを掴んでいるでしょう。
でもこれだけ多くの施設が出来ているのに、
その送迎は施設の従業員が行っています。
同じ例会に参加している施設の事務の女性だって、
送迎していると言っています。
送迎が白ナンバーで行われていることを問題視したらどうでしょう。
送迎自体が利益を追求するものではないという理論は理解できますが、
人を送迎することは、あくまでも人の命を預かる行為です。
しかもこれだけ日常化しているのに、
その行為に対しなんら規制がかからないことを問題視しないのは、
タクシー業者がその業務をプロとして捕らえていないとしか思えません。
大きな事故が起きないと、行政は対処してくれませんよ。
これからの福祉は社会全体で分担する必要があります。
タクシー業界だってその一端を担う必要があります。
不景気なのは時代のニーズを掴んでいないからでしょう。
これだけある施設の送迎を業務委託されたら、
ずいぶん景気が良くなるのではないでしょうか。
ほかの業界も多分一緒で、
自分たちがこの高齢社会で何を担えるかを考えたら良いのかも知れません。
このネットワークはそれを考える機会が沢山あります。
だから、いろいろな人が参加する意味があるのです。
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